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全国高等専修学校協会
 
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平成30年度事業計画

1.基本方針
 時代の流れに柔軟に対応し、生徒達の多様な学習ニーズに応え、地域の産業界に多くの人材を輩出し、幅広く社会に貢献してきた高等専修学校。また社会問題となっている不登校生、高校中退者の立ち直り教育等でも着実な成果をあげてきました。平成28年度には国の「教育再生実行会議の第9次提言」において「高等学校、高等専修学校」と同時に並列表記され、また「発達障害者支援法」の改正で「高等学校、中等教育学校及び特別支援学校並びに専修学校の高等課程に在学する者を含む」と明記されました。

 しかし、高等専修学校の社会的認知度の低さは、なかなか改善されず、大学受験のAO入試などにおいて受験の機会が与えられないなど依然として格差がある現状です。

 また公立高校の変革、過去から多くの問題点が指摘されるなか、分校制度などにより拡大を続ける高等学校の通信制により、簡単に高校卒業資格が取得できる現状があり、全国の高等専修学校の多くの学校で入学者が減少している傾向があります。

 今こそ、文部科学省主導の高等学校学習指導要領のカリキュラムとは異なり、生徒の希望・適性・時代の変化に応じて企業が求める実践力育成のための柔軟な職業教育を行うことができる高等専修学校の強みを活かし、技術や実務面の教育に重点をおく職業教育機関として、社会にアピールし社会的認知度をあげ、高等学校との格差是正を図るための様々な活動を会員校自らが主体的に、かつ一致団結して運動を着実に進めていく必要があります。そして各都道府県の助成金の確保・充実に繋げてまいりましょう。また、現在、「人生100年時代構想会議」で検討されている、年収590万円未満世帯を対象とした私立高等学校授業料の実質無償化(現行の高等学校等就学支援金の拡充)については、高等学校と格差なく実現されるよう尽力しなくてはならない。

 そのためにも加入が認められた、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度に全ての高等専修学校が加入して、高等学校と同じように安心・安全な学習環境を確保して頂きたいと思います。

2.活動方針
T、高等専修学校の振興策の実現
@ 「大学入学資格付与(高等学校卒業程度)指定校〇〇高等専修学校」の学校案内、ホームページ等への掲載の推進
高等専修学校の社会的認知度向上を図る観点から、「大学入学資格付与指定校」制度の表現を改め「大学入学資格付与(高等学校卒業程度)指定校〇〇高等専修学校」と全国統一で表記することで高等学校と並ぶ後期中等教育機関としての位置づけを明確化することを目的として、学校案内・ホームページ等への掲載を推進する。
A 高等専修学校における安全・安心な学習環境の確保のため、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付への積極的な加入を推進する。
B 高等学校との格差是正のための調査研究を行うとともに、高等学校教育改革の方向性を注視し、後期中等教育機関としての高等専修学校振興に資する、制度改善を推進する。
C 文部科学省委託事業「高等専修学校の機能高度化推進事業(「学びのセーフティネット」機能の充実・強化)」に積極的に参画し、高等専修学校と外部とのネットワーク化の推進、卒業後の「自立」につながる効果的な教育実践を推進し、「チーム高等専修学校」を推進・整備する。
D 啓発資料(高等専修学校パンフレット)の毎年度発行を国に求め、高等専修学校の社会的認知度向上のための活動を推進する。
E わかりやすい学校制度とするために、専修学校設置基準分離の議論の再開を求める。
F 各都道府県における高等専修学校に対する「授業料軽減等措置」を推進する。
G 東京都の「私立専修学校特別支援教育事業費補助」(※)をモデルとした各道府県における発達障がい生徒受け入れに関する予算措置を創設する。
H 各都道府県における授業料減免措置に対する国の支援事業を求める。
I 高等学校等就学支援金のより一層の充実を求める。
J 都道府県における経常費助成措置の推進並びに対象科目の平等及び国における経常費助成制度の創設を求める。また、都道府県における取り組み情報の共有を図る。
K 都道府県における公私連絡協議会への参加を求める。
U、高等専修学校の教育力の向上
@ 全会員校の学校評価・情報公開の実施を実現し、公的教育機関として独自の財政措置と、未解決の格差是正の実現を目指す。
A 高等専修学校卒業生の進路で進学でも就職でもない、未決定者の比率を減らす。
B 有権者として求められる力を身に付けるために、高校生向け副教材「私たちが拓く日本の未来」等を活用する。
C 高等専修学校に学ぶ発達障がい生徒の受け入れ、修学ならびに進路指導に関する支援を推進する。
D 高等専修学校における「いじめ問題」に対して適切な対応を推進する。
V、組織力の強化
@ 協会が行う事業について周知、支援・協力の要請
A 体育大会等の協会主催事業への参加要請
B 各都道府県協会における活動の強化と情報の共有を図る
W、調査・統計資料の収集
@ 高等専修学校の実態把握に関する事項
A 技能連携等の実態把握に関する事項
X、高等専修学校のPR・認知度のアップ
@ 母校訪問の全国展開
A 高等専修学校展の普及
B 職業体験講座の積極的普及
C 協会ホームページ・メールマガジンの充実
Y、生徒表彰
@ 成績優秀生徒及び部活動等における優秀生徒への表彰
Z、無認可校(サポート校)への対応
@ 行政への働きかけ及び各地域における情報の共有化を図る

※東京都の「私立専修学校特別支援教育事業費補助」とは、都内の私立専修学校高等課程で障がいをもつ生徒が在籍する学校の設置者に、運営費の一部を補助する制度。平成29年度の生徒一人あたりの補助単価は、752,500円である(私立特別支援学校高等部の経常費補助単価の1/2)。
 平成27年度から長野県において、特別補助として発達障がいのある生徒一人当たり30,000円を一般補助に加算する制度が、また、山形県でも高等専修学校への特別支援教育支援員の配置として1校180万円が創設された。

3.委員会活動
 運動方針に掲げた課題等の研究・協議や協会事業の企画運営のため、各委員会で次のとおり活動していく。
(1)高等専修学校総務委員会
定例総会・理事会等の運営
会報「ニュース高等専修」の発行
全国高等専修学校協会の公式サイトの運営
全国高等専修学校協会生徒表彰の実施

(2)研修委員会
 会員校に必要とされる研修事業として、経営者・管理者を対象に、総会終了後に管理者研修会を実施する。
 12月の冬休み期間中に、合同委員会と同日に教職員研修会を開催する予定であり、詳細を詰めて開催案内を送付する。
 また、2月の理事会終了後に、文部科学省委託事業の成果報告会を開催する予定である。

(3)制度改善研究委員会
《研究委員会の目的》
 ・高等専修学校の振興と格差是正のための活動
 ・各都道府県の高等専修学校にかかわる諸問題への助言
 ・情報交換
《今年度の事業》
 @ 重点研究テーマ
文部科学省委託事業平成30年度「高等専修学校の機能高度化推進事業(「学びのセーフティネット」機能の充実・強化)」における『高等専修学校と外部とのネットワーク化の推進』並びに『卒業後の「自立」につながる効果的な教育実践の推進』を行い、「チーム高等専修学校」を推進・整備する
高等専修学校における学校評価及び情報公開の推進
・「専修学校における学校評価ガイドライン」に関して高等専修学校の質保証・向上に資する情報収集のための調査等を実施し、当面の目標として、会員校の学校評価・情報公開の8割実施を達成する
独立行政法人日本スポーツ振興センター災害共済給付への積極的な加入の推進と会員校に対する周知広報活動
これまでの協力者会議報告等での提言実現のための活動
・高等学校との学習成果の相互評価 ・わかりやすい制度とするための設置基準の在り方 等
高等学校等就学支援金の確保、及び高等専修学校への財政措置の実現のための活動
 A 継続推進テーマ
会員校の活性化のために
・高等専修学校在校生の母校訪問の全国展開
・高等専修学校展の実施のための研究と普及啓発活動
都道府県公私連絡協議会への参入
 B 関係機関との勉強会の実施
  ・文部科学省専修学校教育振興室
  ・独立行政法人日本スポーツ振興センター等の関係機関

(4)体育振興委員会
 第28回全国高等専修学校体育大会の企画運営を行う。また、高等専修学校生のスポーツ参加に関する諸課題の研究協議を行う。
○第28回全国高等専修学校体育大会
日 程: 平成30年7月23日(月)〜7月25日(水)
会 場: 富士北麓公園、鐘山総合スポーツセンター等
主 催: 全国高等専修学校協会、特定非営利活動法人NPO高等専修教育支援協会
主 管: 全国高等専修学校協会体育振興委員会
後 援: 文部科学省、山梨県、富士吉田市、富士河口湖町、(公財)JKA、(公社)東京都専修学校各種学校協会、専門学校新聞社(予定)

4.会議の開催
(1)定例総会
 <平成30年度定例総会/平成30年6月14日(木)/東京・主婦会館プラザエフ>
 ・平成29年度事業報告・決算報告、平成30年度事業計画・収支予算案、規約改正、役員改選
(2)理事会
 <第1回理事会/平成30年6月14日(木)/東京・主婦会館プラザエフ>
 ・定例総会・研修会への対応
 <第2回理事会/平成31年2月中旬/東京・会場未定>
 ・平成31年度事業計画・収支予算原案について

5.調査研究報告書の刊行
 高等専修学校の実態に関するアンケート調査の結果をまとめ、報告書として送付する。

6.全国高等専修学校協会生徒表彰の実施

7.「ニュース高等専修」の発行


 
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